知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)合格への道:第8回(海外法規・条約関係)
前回(第7回)の内容
今回(第8回)の内容
今回が最後の出題範囲のテーマで、海外法規・条約関係を見ていきます。
パリ条約
特許協力条約(PCT)
TRIPS協定
国際的な紛争解決(調停・仲裁・ADR等)
米国特許法
欧州特許条約
その他各国特許法(中国、台湾、韓国、インド等)
国際出願の使い分け(直接出願、パリルート、PCTルート、特許審査ハイウェイ等)
マルチマルチクレーム問題
赤字の部分は第7回の国内法規と同様、共通テキストで紹介した弁理士試験テキスト、IPePlatでかなり賄うことができます。 今回は、条約の他の書籍と、残りの黒字の部分を中心に説明していきます。
<条約(パリ条約、特許協力条約、TRIPS協定)>
条約は、学習する順番は、前提からたどると、パリ条約⇒特許協力条約⇒TRIPS協定になると思います。 しかし、出題傾向は異なっており、多い順に、特許協力条約⇒パリ条約⇒TRIPS協定という感じです。圧倒的にPCTが重要です。
条約はあまり多くの書籍を比較してないですが、初期にメルカリで購入した、2000年頃からある古典に近い書籍です。 見た感じ、絶版のようですがAmazonや楽天市場で、中古で流通はしていそうですね。 特別わかりやすいかというと、そうでもないので、探せばもっと良い新しい本はありそうです。 ここは、弁理士試験のテキストで代用してしまったので、探すのを省きました。
図解 パリ条約(発明協会)
図解 特許協力条約(発明協会)
図解 TRIPS協定(発明協会)
<国際的な紛争解決(調停・仲裁・ADR等)>
国際的な紛争解決については、以下の2系統のテーマがあります。
①国際裁判籍管轄と準拠法
②裁判以外の解決手段(ADRによる調停・仲裁等)
ライセンス契約 ビジネス法務体系Ⅰ(日本評論社)
①の国際裁判籍管轄と準拠法については、第6回の契約について紹介したこの書籍で触れられています。
②の裁判以外の解決手段(ADRによる調停・仲裁等)については用語と特徴について問われるだけなので、Webで調べるのが手っ取り早く、それで十分かと思います。
https://www.moj.go.jp/KANBOU/ADR/tetsuzuki.html
https://www.jcci.or.jp/sangyo/adr.html
The Japan International Dispute Resolution Center
<米国特許法>
米国特許法は、各国特許法の中で、かなり異色の存在です。元々先発明主義を採用しましたが、2011年の米国特許法の改正で、日本や他国と同様、先願主義に移行しました。 他国特許法は、探せば細かい違いがありますが、類似点も多いのに対して、米国特許法は中間処理や権利化後の異議申し立てや無効審判に相当する手続きが色々異なっています。 また、海外出願する場合におそらく最も多いのが米国ということなのか、1級学科試験の中で45問中約6問(約13%)と、決して少なくない配点です。 そして、かなり制度改正の経緯も含めて細かい論点まで聞かれているので、専門書で体系的に学習しておく必要があります。
米国特許出願実務ガイド(酒井国際特許事務所企画室)
米国特許出願実務ガイドの通販/酒井国際特許事務所企画室 知的財産実務シリーズ - 紙の本:honto本の通販ストア
ちょうど大きな改正があった年の翌年に刊行されており、改正の経緯や米国法の歴史、特殊な規定や手続きまで含めてほぼすべての受験に必要な要素が体系的に記載されています。 内容は分厚く価格も高めですが、これ1冊と過去問で、受験した2回の米国法問題(学科)は全問正解できました。 きちんと読み込んで勉強すれば使えると思います。
<欧州特許条約>
新欧州特許出願実務ガイド(酒井国際特許事務所)
新欧州特許出願実務ガイドの通販/酒井国際特許事務所 現代産業選書 - 紙の本:honto本の通販ストア
同じ特許事務所が出している、同程度の分厚さのガイドです。 欧州出願は、米国出願に比較すると出題数は少ないため、すべてを網羅して勉強する必要はないと思います。
欧州特許出願は、欧州特許条約という多国間条約がある点で特殊です。 また、PCTによる国際出願でヨーロッパに国内移行したい場合に、直接国内移行を認めていない国があるため、一度欧州特許庁を経由して移行が必要な「Euro-PCTルート」と、直接国内移行する「PCTルート」の2系統があります。また拡張サーチレポートの対応など、出題されやすいテーマがある程度決まっているため、その部分を過去問から重点的に理解しておけばよいかと思います。
<その他各国特許法(中国、台湾、韓国、インド等)>
その他の各国特許法(特に中国、韓国、台湾)あたりも探せば専門書を見つけることはできます。 しかし、出題されたとしても1回の試験で1問出るかでないか(特に1問の枝の中で国別の違いが問われることも多い)ため、専門書を買って勉強は明らかに非効率です。 よく出題される文脈は、国による法制度の違いを比較するような題意の枝なので、まとめて取り扱っている書籍やWebサイトを見た方が効率的です。
知財主要国の特許実務概説(日本・欧州・中国・米国・台湾版)
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784905443193
ちょうどそれに該当する、同じテーマを軸に各国の取り扱いの違いを整理した書籍です。特に出願形式、新規性・進歩性・拡大先願等の審査の扱いの規定の違い、新規性喪失の例外の違いなどがまとまっています。
制度比較表(特許業務法人R&C)
なんと、見たい国・地域を自由に指定して、詳細な項目まで比較表が出せるスペシャルなサイトです。 最終的には、これを日本と主要国について表にしたものをEXCELにツギハギで貼り付け、印刷して勉強しました。 多分これにかなうものはないかなーという感じです。
<国際出願の使い分け>
中小企業経営者のための海外知的財産マニュアル|東京都知的財産総合センター
以前も紹介した中小企業経営者のためのシリーズの海外対応のマニュアルです。 各国への直接出願ルート、パリルート、PCTルートと、国際出願は様々な違いがありますが、それらの説明やメリット・デメリットがわかりやすくまとまっています。
特許審査ハイウェイ(PPH)についても簡単に触れられていますが、このテーマについては注意が必要です。 特許審査ハイウェイ(PPH)は、各特許庁間の取り決めに基づき、第1庁(先行庁)で特許可能と判断された発明を有する出願について、出願人の申請により、第2庁(後続庁)において簡易な手続で早期審査が受けられるようにする枠組みです。
なぜか知財検定1級は特許庁が力を入れているためか、PPHの問題が好きで、頻繁に出題されます。 日本国特許庁との間で対応を取り決めている国は特許庁に記載があります。
特許審査ハイウェイ(PPH)について | 経済産業省 特許庁
しかし、特許審査ハイウェイ(PPH)の制度内容と対応国を理解していても、知財1級のPPH問題はほぼ解けません。
なぜかというと、問われることが多いのは、「第2庁(後続庁)においてどのように扱いを受けるか」であって、必要な知識は「各国のPPHに関する規定」になってしまいます。しかし日本特許庁がそれらをまとめてくれいているわけでもないため、とても勉強しづらいのです。
いちいちPPHの規定だけを各国法制度探し回る気にはとてもなれませんし、探してみてもよい文献が見つかりませんでした。 ということで、ブログ著者である自分は、PPH問題は捨て問認定して、対策を断念しました。
誰か良い出典を見つけた方が猛者がいたら、コメントいただけると嬉しいです。 なぜそれほどまでしてこの問題を出し続けるのか、検定の意図がいまだに理解できないままです。
<マルチマルチクレーム問題>
知財検定1級の国別比較で最も出やすいテーマの1つに「マルチマルチクレーム問題」があります。
用語について整理すると、
他の請求項を引用しない、単独で成立する請求項を「独立請求項」と呼びます。
他の請求項を引用することで、付加的な構成要件を追加する請求項を「従属請求項」と呼びます。
複数の請求項を引用する従属請求項(「請求項1及び2」や「請求項1~3」など)を、多項従属請求項(マルチクレーム)と呼びます。
さらに、多項従属請求項(マルチクレーム)を含む複数の請求項を引用する請求項をいわゆる「マルチマルチクレーム」と呼びます。
そして、この「マルチマルチクレーム」を各国特許法が認めるかどうかが国ごとに異なるため、PCTの国内移行時の翻訳および補正として、マルチマルチクレームがあるかどうか気を付ける必要があり、出願時点でそもそもマルチマルチクレームが無いようにするか、国内移行時の補正で分解するかなどの対応が必要になります。
試験では、この「マルチマルチクレーム」を認める国/認めない国の論点が出題されやすいです。
注意点①
今年以降の受験については、このマルチマルチクレーム問題に注意が必要です。 なぜかというと、今年4月以降の特許法施行規則の改正により、日本はマルチマルチクレームを「認める」→「認めない」に変わってしまったからです。
したがって、この変更も踏まえて出題される可能性が高まっていると思います。
注意点②
そのような背景の中、今年自分が受験した2022/3月の知財1級実技試験でまんまとしてやられたのが、「マルチマルチクレーム問題もどき問題(ひっかけ)」でした。
以下の請求項1~4をご覧ください。
通常よく見かける請求項は、以下のような階段状の引用関係を形成することが多いです。
独立請求項1
従属請求項2:請求項1を引用 ⇒普通の従属請求項
従属請求項3:請求項1及び2を引用 ⇒マルチクレーム
従属請求項4:請求項1~3を引用 ⇒マルチマルチクレーム
この場合、伝統的な「マルチマルチクレーム問題」になります。待ってましたという内容です。
しかし、2022年3月実技試験の問5をよく見ると、以下のようになっています。
独立請求項1
従属請求項2:請求項1を引用 ⇒普通の従属請求項
従属請求項3:請求項1を引用 ⇒普通の従属請求項
従属請求項4:請求項1~3を引用 ⇒マルチクレーム
これは、マルチマルチクレーム問題に見せかけた、もどき問題、いわゆるフェイクでした。 しかも、問5の(1)~(3)の各枝の設問は「○○国に外国出願した場合に,特許請求の範囲における請求項の引用形式に関して,追加の手続の必要はない。」と誘導しており、「私はマルチマルチクレームです」と言わんばかりの問題を装っています。
実技試験は20分以内に大問5題15枝の○×を筆記で解答し、終了後に口頭試問となります。 時間との戦いの最終問題の緊張感MAXの状態で、見落としやすいかつ、ほぼ全受験者が待ち受けて対策していたと思う「マルチマルチクレーム問題」に盛大なフェイクを仕込んでくるあたり、1秒も油断できないですね!
そしてそれに輪をかけて混乱したのが、口頭試問の問5(3)の問題で、 『「米国に外国出願した場合に,特許請求の範囲における請求項の引用形式に関して,追加の手続の必要はない。」は間違っている前提で、その理由を答えてください』というような内容でした。
試験官に請求項4がマルチマルチクレームである理由を答えると、審査官が「もう一度説明してください」と誘導するような質問をし、請求項3を説明した時点で筆記のミスに気付いた自分は、請求項4がマルチマルチクレームではなくマルチクレームとわかりました。この瞬間、本気で血の気が引くような感触がしたのを今でもはっきり覚えています。 しかし、改めて必死に考えても、米国はマルチマルチクレームは認めていないのですが、マルチクレームは認めていて、「間違っている前提で、その理由は」という問いの真の意味が理解できず、フェイクに引っ掛けられて筆記で間違えたという焦りから、最後までただ「分解する必要がある」ということしか答えられませんでした。 おそらくこの実技試験で間違えた大きな失点はここだけだったと思います。
まだ販売されている正解解説を見ていないのですが、試験を終えた直後にその答えが、「米国法ではマルチクレームがあると追加加算料金が発生してしまう」ということだと理解しました。そのために「マルチクレームを解消する補正手続が必要であるから」が正しい答えだろうと推測しました。これは後日確認したいと思います。 前述の米国特許出願実務ガイドに記載されており、試験後に思い出せる程度にはきちんと対策していた内容でした。でも答えられなかったことに大変ショックを受けました。
米国特許出願でマルチクレームを使用するメリットは? | 知財実務のTips
最後の最後まで油断できない知財検定1級、合格できたからよいけど、この問題のせいで落ちたら悲しいよ…
以上、長くなりましたが、色々波乱がありそうな海外対応のまとめでした。 試験範囲全体の参考資料についての解説は、いったんここまでにしたいと思います。
次回は、少し先になるかもしれませんが、全体を振り返って思ったことなど個人的な所感をまとめたいと思います。
2024年2月 追記 口頭試問の問5(3)の正しい答えは、某模範解答を購入して確認し、上記の推測通り、「米国法ではマルチクレームがあると追加加算料金が発生してしまう」だとわかりました。このフェイク問題を考えた作成者はある意味切れ者だと改めて感じました。
知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)合格への道:第7回(国内法規関係)
前回(第6回)の内容
今回(第7回)の内容
今回は、国内法規関係を扱います。こちらも、かなり幅広い法領域の対策が必要となります。
このうち、赤字の部分は、共通テキストで紹介した弁理士試験テキスト、IPePlatでかなり賄うことができますので、今回は残された黒字の部分を記載します。
<民法>
公務員試験 最初でつまずかない民法 Ⅰ、Ⅱ(実務教育出版)
なぜ公務員試験の対策本を選んだかというと、実際に色々手に取ってみた中で、初学者向けに平易な言葉で直感的にわかりやすく記載されていたためです。 実は最初に購入した書籍は民法の中で代表候補に挙がる専門書でしたが、ほとんど理解できませんでした。
一般に民法は一般市民やあらゆる企業活動に密接に関わる法律でありながら、民法の解説書は司法試験対策や法学者向けの専門書が多く、内容も非常に難解です。 ところが、公務員試験を受ける人はたくさんの分野を短期間で学習しなければならず、そのような民法に真正面から向き合って勉強する時間などとれないようです。 そこで、公務員試験受験者向けに、とっつきやすい本をということで出版された書籍がこれになります。(それでもかなりボリュームはありますが…) 同じことは知財検定1級も同様にあてはまりますので、自分にとってわかりやすい本で効率的に学習しましょう。
<民事訴訟法>
ファーストトラックシリーズ5 民事訴訟法(弘文堂)
民法と同じように、民事訴訟法も専門書で挫折し、極端にわかりやすい本書で基本的な部分を学習しました。 かなり個性的なキャラクターを用いた実例で、問題を起こしまくるストーリーを実例にして訴訟対応の基礎がわかります。 こちらも真正面からやると挫折すると思うので、わかりやすい本で対策しましょう。
知財検定1級では、唐突に「弁論主義の第3テーゼ」などという、「残酷な天使のテーゼ」のような意味の分からない問題が出題されます。 しかし、この書籍でもきちんと理解できたので、大丈夫だと思います。 ただし、「裁判籍(管轄)」の問題だけは、特許法特有の「一審級省略して東京高等裁判所(知財高裁)へ提訴」の例外規定などはこの本ではわからないので、 特許法で学習するか、サイトで検索して注意深く調べてください。 1級では、問題の枝の訴訟内容(民事訴訟か知財訴訟か(特許か商標か))と審級によって、民訴法/特許法どちらが裁判籍を決めるかが枝ごとにわかれて正誤が変わるきわどい問題が頻出されており、悩ましい部分です。 あと、どの県がどの管轄区かという地理的知識も必要になります。(民事訴訟の高等裁判所の裁判籍が変わります。) ※当ブログ著者の自分も、まだ正確に理解できてないと思います。
<独占禁止法>
独占禁止法については、今まで公正取引委員会という普段縁のない組織が摘発する、類型パターンが覚えにくい自分にとって非常にやっかいな存在でした。 しかし、現在の2022年9月までつい最近放送されたテレビドラマ「競争の番人」が、その公正取引委員会を主人公に独占禁止法を取り扱うドラマで、それを見ながら「これは談合」「これは不当廉売」などと類型当てゲームのようになってしまいました。試験勉強中にやってくれてたらなと悔やまれてなりません。
独禁法の授業をはじめます(商事法務)
https://www.shojihomu.co.jp/publishing/details?publish_id=3205&cd=2877&state=new_and_already
書籍の著者は公正取引委員会事務総長であり、本家本元の方が、独禁法の全体像とその根幹を、ほぼ条文なしでやさしく語る授業形式の書籍です。 書店で色々手に取った中で、最もわかりやすいと感じた本でした。 独占禁止法の骨格を学ぶには、非常に良い本だと思います。
ところがどっこい、知財1級は「そうは問屋が卸さない」というか、「知財契約の条項の規定(制限)内容」「標準化」「パテントプール」「FRAND」という非常に難解な部分を絡めて、きわどい路線で出題してきます。 したがって、知財関連で独禁法も扱う難しい専門書をどうしても読まなければならなくなります。
ライセンス契約 ビジネス法務体系Ⅰ(日本評論社)
前回(第6回)の契約の部分でも紹介した本です。1級試験では避けて通れない、「標準化活動とパテントプール」「契約と独占禁止法との関係」まで掘り下げられていますので、この一冊で攻略難問領域を広範にカバーしているのではないかと思います。
実務 知的財産権と独禁法・海外競争法(法律文化社)
まさにタイトル通りの内容です。海外競争法(反トラスト法等)は一旦無視してかまわないので、まずは知的財産権と日本の独禁法だけおさえてください。 はっきり言って難しいですが、この内容から出題されるので仕方ありません。 特別用語として、「パテント・トロール問題」「ホールドアップ」「FRAND宣言」などは特徴的で出やすいので、その辺は過去問と照らし合わせてキーワードを確認するとよいのではないかと思います。 ※読まないとなんのことかわからない用語ですよね…
その他、公正取引委員会が示している以下のオリジナルの指針があり、類型が挙げられていますので、参考にしてください。
優越的地位の濫用に関する独占禁止法の考え方(公正取引委員会)
https://www.jftc.go.jp/hourei_files/yuuetsutekichii.pdf
標準化に伴うパテントプールの形成等に関する独占禁止法の考え方(公正取引委員会)
<関税法>
関税法については、方々探した挙句、1級対策にちょうど良い書籍を見つけることができなかったため、過去問と知的財産権法文集に出ている関税法の条文を解析して、自分用のレジュメを作りました。 ※この記事を読んだ方でもしよい本があれば、匿名でもよいのでコメントいただけると嬉しいです。
関税法を扱う試験は通関士が該当しそうですが、関係ない部分も大量にあり、効率がよくありません。 試験対策で押さえたいのは、輸出入に伴う侵害品の差止・積戻し、見本検査(分解等)がどこまで可能か、期間関係の規定、担保のための供託などの一連の水際対策の内容・手続についてです。 民事訴訟の差止請求と異なり、裁判所の判決と執行手続きを経ずに直接税関に手続できることなどが挙げられます。
今検索してみたところ、以下の論稿がまとまっていそうです。ただし、平成25年度と古く法改正されている可能性が高いため、正確な規定は最新条文を参照してください。
日本の水際取締の知財紛争解決手段としての活用(貿易円滑化対策委員会)
- 2022/09/25 追記 本屋さんで見てみたところ、やはり通関士のテキストが正確で網羅しているようでした。関税法の1~2問程度攻略のためにこれをやるのか?という気がしないでもないですが、 知財1級は合格基準が80%以上ととても難易度が高く、少しでも点数を稼げるところは取りたい部分ですので、一応掲載しておきます。
通関士教科書 通関士 完全攻略ガイド(翔泳社)
<弁理士法>
なぜか弁理士試験ではなく、知財1級で出題される弁理士法です。弁理士は合格してから当然勉強するから、実務担当として弁理士に依頼できる/できない内容は自分で勉強しろということでしょうか。 弁理士法は条文数も少なく、特に重要なのは「弁理士に依頼できる/できない内容」ですので、専門書を買うまでもなく、条文を直接見てもらうだけでよいかと思います。
特に重要なのは以下のあたりです。
以上、国内規定関係についてでした。 次回は最後の難関、海外法規・条約関係について記載します。
知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)合格への道:第6回(実務よりの分野)
前回(第5回)の内容
今回(第6回)の内容
今回は、実務よりの出題分野を扱っていきます。
庁手続関係、利用可能な制度
権利化前(特許調査、出願、中間処理、拒絶/特許査定)
権利化後(登録、維持管理、ライセンス、権利行使)
警告、訴訟対応(権利行使する側/される側)
海外展開
参考資料
IPePlat
知財戦略の際にも紹介した無料学習教材です。ここでも効果を発揮します。 というか、実務担当者向けの教材のため、ほとんどの領域が該当しそうです。
「ビジネス」の契約関係のコンテンツ
「特許(手続等)」
「特許(法規・基準等)」の審査基準関係のコンテンツ
「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)など」
「その他」
「海外制度・条約」
特許・実用新案審査基準(特許庁)
特許出願の権利化前の中間処理である拒絶理由通知受領後の補正、分割出願、審判対応等を行うには、何はともあれ審査基準の理解は避けて通れません。 審査基準は本家本元の特許庁が出しているものが原典ですから、まずはこれです。
これだけは知っておきたい特許審査の実務(中央経済社)
これだけは知っておきたい特許審査の実務 / 伊藤 健太郎【監修】/千本 潤介【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア
初心者向けの中間処理です。ただ、侮れないのは審査官視点の考え方、審査官が陥りやすい判断の罠(反論ポイント)、どのように対応したら特許されやすいのかといったことが極めて分かりやすく実例付きで解説されています。拒絶理由通知の表向きは冷たく見える拒絶理由の説明の裏に、審査官の隠されたメッセージが含まれていることが実際にはあります(自分の経験上も多々あり)。
特許出願の中間手続基本書(発明推進協会)
特許出願の中間手続基本書 / 大貫 進介【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア
こちらは、より詳細に解説を読みたい人向けの本だと思います。試験対策的には、最終的にはここに記載されているレベルで問われることが多いため、何とか制覇したいところです。
技術法務のススメ 事業戦略から考える知財・契約プラクティス(日本加除出版)
第2版 技術法務のススメ 事業戦略から考える知財・契約プラクティス | 日本加除出版
前回記載した「知財戦略のススメ」と同じ鮫島先生の著書で、主に契約関係にまつわる書籍です。 ライセンスから共同開発、秘密保持契約などさまざまな契約形態に対応し、設問の事例問題で出やすい契約書の記載事項のプラクティスがあるため、実務的な必読書だと思います。
ライセンス契約 ビジネス法務体系Ⅰ(日本評論社)
こちらは、どちらかというと契約の理論的な体系的解説がされている専門書で、内容もボリュームがあり難易度も高めです。 ところが、1級試験では避けて通れない「独占的通常実施権」「独占禁止法・パテントプールとの関係」「権利範囲と訴訟」「権利消尽、均等侵害」「国際裁判管轄と準拠法」などほかの出題分野と密接にかかわる内容まで掘り下げられていますので、この一冊で攻略難問領域を広範にカバーしているのではないかと思います。
民法で見る知的財産法(日本評論社)
特許法は法体系として、一般法である「民法」に対する特別法にあたります。しかし、以外にも民法と特許法の規定ぶりの違いや、両者が交錯する領域の考え方について体系的に勉強できるテキストがなく、「民法は民法」「特許法は特許法」としてあたかも別物の様に扱われている場合がほとんどです。その意味ではかなり珍しい書籍だと思います。しかし、特許に関わる権利行使・訴訟を扱う場合、特許法の規定が及ぶ「審決等取消訴訟、差止請求訴訟」と、一般法である民法・民事訴訟法・民事執行法の性質が強い「特許侵害の損害賠償請求、不当利得返還請求訴訟」「特許権の質権や物上代位権の強制執行」など、両方の考え方が入り混じってきますので、実は目からうろこの内容が多い良書だと思います。1級試験でもこれらが混じりあうきわどい枝が出る可能性がありますので(過失推定や損害額推定の規定が及ぶか及ばないかなど)、さらにもう1点を目指すうえで、押さえておくと強いと思います。
知的財産法判例教室(法学書院)
訴訟と判例問題を扱う出題では、特許法周りの判例対策は欠かせません。判例の専門書は、弁理士などの専門家向けの書籍で難解なものが多いので対策が難しいですが、本書は最初から「試験対策でエッセンスだけを学ぶ」ことに焦点を絞っており、重要判例を効率的に勉強できる書籍だと思います。過去出題された判例もほとんど記載されていたと記憶しています。
知的財産マニュアル(東京都知的財産総合センター)
こちらは第4回の共通テキストで紹介したものですが、なかなか学習が難しい「海外知的財産マニュアル」が無料で含まれてるのが良いところで、中小企業向けに専門人員が確保できないことを想定して、わかりやすく記載されています。出願形態のバリエーションから、海外企業との契約時の注意点など幅広くまとまっており、この内容からの出題も目立ちます。
特許調査入門 サーチャーが教えるJ-Plat Pat活用ガイド(発明推進協会)
特許調査入門 サーチャーが教えるJ−PlatPatガイド 第3版の通販/酒井 美里 - 紙の本:honto本の通販ストア
特許情報調査と検索テクニック入門(発明推進協会)
特許情報調査と検索テクニック入門 研究開発&特許出願活動に役立つ 改訂版の通販/野崎 篤志 - 紙の本:honto本の通販ストア
上記2つは特許検索に関連するもので、その道では有名なお二方が著者です。おそらく特許検索業務を請け負うプロのサーチャーも、こちらを入門として勉強するのではないでしょうか。 日本の無料公式検索ツールJ-Plat Patをメインにしているのに対して、海外の特許検索は簡単に触れられている程度です。 どちらかわかりやすい方を1冊購入すればよいかなと思います。 試験では、簡単なAND/OR指定や特許分類と用語検索をどのように組み合わせるべきか、といった内容や、特許分類の種類(IPC、FI、Fターム、CPC等)と違いについて問われることが多いです。 ただし、国際特許出願のPatentScopeや、欧州のEspacenetの検索結果の見方などが問われる過去問も存在するため、実際に使用して内容を理解しておく必要はあると思います。
以上、今回は実務よりの分野について記載しました。 次回は国内法規について記載します。
知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)合格への道:第5回(知財戦略編)
前回(第4回)の内容
今回(第5回)の内容
今回は、知財戦略に関わる分野の学習用の参考書籍・資料について、自分が使用したものを代表に、記載していきます。
前提・背景
日本は以前「技術大国 日本」と呼ばれていた時代がありました。 しかし、GAFAなど海外の巨大大手プラットフォーマー企業の台頭や、海外の大学・技術研究機関の大きな発展、国策としてスタートアップ企業家や研究者の育成に先進的な取り組みを行ってきたためか、現在では海外企業の活躍が目覚ましく、日本企業は技術・経済界含めて苦戦している状況が見て取れ、そうした記事や書籍をよく見かけるようになりました。
日本は技術大国でいられるのか 米国の特許登録トップ20に日本企業は3社のみ(1/2ページ) - イザ!
また、海外ではM&Aによる企業や研究機関の買収に非常に積極的ですが、日本ではまだまだ抵抗感があるようです。2022年7月~9月のクールでつい最近まで放送されたテレビドラマ「ユニコーンに乗って」は、まさに日本の教育問題をベースに、スタートアップIT企業がユニコーン企業に成長するために直面する技術課題、特許権利帰属・営業秘密管理問題、M&Aなども組み込まれていて、ある程度脚色されているフィクションとはいえ、IT企業の知財担当としても個人的にも、非常に面白いドラマでした。
日本としても産業界を発展させるために、知的財産に力を一層力を入れていく必要があり、経済産業省・特許庁として様々な取り組みを国策として行っています。 昨年発表されたコーポレートガバナンス・コード(CGC)の改訂が、その最たる例だと思います。
そうした背景もあると思いますが、知財検定1級では、そうした内容に関連する近年の取り組み・動向から出題される傾向が強いと思います。
まさに、コーポレートガバナンス・コードが知財検定1級の試験範囲に今年度試験から追加されています。
https://www.kentei-info-ip-edu.org/exam.html
出題傾向
知財戦略は、名前に「戦略」とある通り、通り一遍の学習ができる内容ではなく業界や技術分野、企業等がおかれている立場によって大きく変わり、戦略そのものは営業秘密にもかかわるため体系的な学習をするのが難しいように考えられます。しかし、前述のとおり国や特許庁が推進している政策等は公的に発表されており、内容を知っているかどうかで問題として問いやすいため、出題されやすい好適題材はある程度傾向があるように思えます。時事問題としての出題がされますので受験対策としても、そして実務的重要性のためにも、アンテナを張ってウォッチしておく必要があります。
出題されやすいと思われるテーマ
標準化技術
特許情報分析
IPランドスケープ
特許の群管理
オープンイノベーション
オープン&クローズ戦略
スタートアップ、中小企業、研究機関等の支援・減免制度
産官学連携
知財人材標準スキル(version2.0)
企業戦略・事業戦略・知財戦略の関係
経営デザインシート
コーポレートガバナンス・コード
知的財産の価値評価と資金調達のパターン
主なキーワードは上記の様に挙げることができますが、それなりに幅がありますし、それぞれ深く難しい内容を含んでいますので、根本的に理解をするのはなかなか大変かもしれません。 しかし、受験対策としては、重要なエッセンスを押さえておけば十分だと思います。
参考資料
知財戦略のススメ(日経BP社)
下町ロケットに登場する弁護士のモデルとなった、有名な鮫島先生の著書です。もはや教科書と呼んでもよいでしょう。 内容もわかりやすく、非常に良書だと思っています。
IPePlatの「ビジネス」「その他」の分類で、上記に該当するコンテンツ
サイトにアクセスしてコンテンツを見てもらえればわかると思いますが、かなり共通するテーマのタイトルが並んでいます。 自分はすべて見切れませんでしたが、おそらくかなり参考になるはずです。
知的財産技能士会の特典
3級・2級の合格者は年会費1万円で有料会員となることで、過去問だけでなく、刊行物・論稿が読めます。 やや専門的だと思いますが、近年の知財動向をトピックとして扱ってますので、会員の方は活用して損はないと思います。
- IPジャーナル IPジャーナル|一般財団法人 知的財産研究教育財団
会員でなくても有料で購入もできますが、会員は無料で全号ダウンロードできるようになりました。
こちらはさらに専門的ですが、最新の調査研究報告などが読めます。
無料セミナーの案内や、技能士会員の交流会の参加者募集等があります。 コロナ禍のため、Zoom等での開催も増えて、遠隔地の方でも参加しやすくなったと思います。 交流会は1度参加したことがあり、1級3冠(特許専門業務、コンテンツ専門業務、ブランド業務)達成者の体験談や、受験者のお互いの苦労話などざっくばらんに話すことができました。
こちらは会員でなくても多分見れると思います。技能士会員の推薦書籍です。 私が読めていない内容もありますので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
戦略的な知的財産戦略に向けて:技術力を高めるために:知財戦略事例集(特許庁/経済産業省)
honto.jp 様々な企業等の知財担当者の経験談が記載されており実務的に参考になると思いますが、刊行が古いのと内容が膨大なので、試験対策としては企業の事例ではなく、本文として記載されているまとめの部分を重点的にみるとよいと思います。過去問で頻出の一冊です。
知的財産戦略(ダイヤモンド社)、キヤノン特許部隊(光文社新書)
元キヤノン専務知財担当者・弁理士の丸島儀一氏の著書です。キヤノンは現在も技術的にも知財戦略的にも第一線で活躍する企業集団であり、その知的財産部隊も精鋭ぞろいのようです。 この書籍の中で語られていますが、後に国内消尽問題に関する重要判例となる「インクタンクリサイクル事件 *1 」 の特許出願・権利行使の経緯を知ることができます。
特許庁 行政年次報告書
特許庁が毎年7月中旬~下旬頃に公開している報告書です。時事問題として、この中から1問程度出題されることが多いです。 頻出論点は、各国の特許出願趨勢のグラフの国名穴埋め問題、施策に関する動向あたりです。 公表と出題年の問題作成時期のタイムラグがあるため、過去3~4年分くらいは見る必要があるかもしれません。 ですが、この大量の文書から、45問中の1問を当てるために理解・記憶するのは、個人的にはほぼ無理ではないかと思っています。 なので、自分は出題されても捨て問として諦めて、他を手堅く狙う方針で割り切りました。
知財実務オンライン(YouTube)
有識者、その道の専門家による、無料の対談・セッション形式の動画です。 知財戦略に関わらず、1級範囲全般に関わる様々な最新トピックを扱っており、かなり実務よりの内容です。 時間の関係でいくつかのコマだけ厳選して視聴しましたが、苦手分野のテーマがあれば、見てみたらよいかと思います。
その他各論
総合的に扱っていない個々のトピックは、Googleで検索して参考になる論稿や報告書をかき集めました。 1つ1つ解説すると大変なので記載しませんが、タイトルを掲載しておきます。検索エンジンで、PDF等が読めると思います。 特許庁や関連団体・行政機関が出しているものが多いでしょうか。 こちらも大量にありますので、過去問で解けなかった苦手なテーマの参考として見てみてください。
一歩先を行く国内外ベンチャー企業の知的財産戦略事例集
経営における知的財産戦略事例集
経営戦略を成功に導く知財戦略【実践事例集】
経営デザインシート
知財のビジネス価値評価検討タスクフォース報告書~経営をデザインする~
経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究の概要
経営戦略に資する知財情報分析・活用に関する調査研究報告書
知財スキル標準(本体カード)
標準化実務入門
今回の終わりに
書いてみて改めて、本当に勉強が難しい領域だと思いました。しかし、このテーマは弁理士試験でも扱ってない、当事者知財実務の分野であり、1級の資格取得者が今後本領を発揮することを期待されている部分だと思われ、毎年手を変え品を変え、様々な出題がされています。一気にやるというよりは、時間をかけてでもよいので、少しずつ手持ちの範囲を広げていく感じで対応するのが良いかと思います。 特許庁の刊行物は毎年テーマを変えて出ているので、特許庁のサイトリンクを活用するとよいと思います。
次回のテーマは「実務よりの分野」について記載する予定です。
知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)合格への道:第4回(共通のテキスト・問題集等)
前回(第3回)の内容
今回(第4回)の内容
前回、全体を体系的に学習する市販テキストはないと書きましたが、効率よく学習するために、代替的に使用できる教材や有料講座はあります。 今回は、まずそちらを紹介していきます。
知財検定2級のテキスト・問題集
知財検定1級を学習するうえで2級は前提知識ですので、ある意味当然です。 ですが、学習・合格して時間がたってから1級対策する場合は、復習しておいた方がよいでしょう。
甘く見てはいけないのは、試験問題の正しい/間違いの枝として、不意打ちのように意匠や商標の裁判籍(訴訟になった場合の管轄裁判所)などが出題されたりします。 この辺りがノーマークだと、問題を見たときに焦ることがあります。あまり時間をかける必要はないので、ある程度特許法との違いは、2級レベルで押さえておくべきかなと思います。
- 公式テキスト
https://www.kentei-info-ip-edu.org/gakushujoho.html
- 自分が使用したテキスト(アップロード社の完全マスター3冊)
※購入済みの人は、手元にあるものでよいと思います。
IPePlat
工業所有権情報・研修館(INPIT)が提供する、知的財産関連の無料学習教材です。 実は、通常の市販の試験対策テキストでカバーできてない内容の多くがコンテンツとして含まれており、最有力候補といえるかもしれません。 (知財戦略、庁手続、制度説明、審査基準、海外企業との契約時の注意点等、諸々)
無料でアカウント登録すると、受講履歴管理もできますので、まずはこれを見てみるのが良いかなと思います。 試験対策で正答を導けるレベルに達しないとしても、広く全体の知識を網羅的にカバーすることができます。 何より無料で、初心者向けに記載されており、敷居が低いのが最大のメリットです。 とりあえず一度、コンテンツのタイトルをざっと見渡してみてください。
知的財産マニュアル(東京都知的財産総合センター)
こちらも、中小企業経営者を対象に、知的財産全体に関わる重要事項をきれいな資料で分かりやすい図を用いて説明されています。 以下を見ると、出題範囲をかなり扱っていることがわかると思います。基礎を理解するために無料で活用できます。 ここから、試験に関係するキーワードをピックアップすることもできると思います。
中小企業経営者のための知的財産戦略マニュアル
中小企業経営者のためのノウハウの戦略的管理マニュアル
中小企業経営者のための海外知的財産マニュアル
中小企業経営者のための特許マニュアル
中小企業経営者のための技術流出防止マニュアル
中小企業経営者のための技術契約マニュアル
中小企業経営者のための職務発明制度改正対応の手引
中小企業のための実用新案制度活用のてびき
(中小企業経営者のための意匠マニュアル)
(中小企業経営者のための商標マニュアル)
(中小企業経営者のための著作権マニュアル)
弁理士試験のテキスト
第3回で記載しましたが、ある程度弁理士試験の内容とかぶっている領域があります。
当然弁理士の方が難易度が高いため、弁理士を同時に受験しようとしている場合以外は、条文レベルで覚える必要性はないですが、 上記について体系立てて解説されているテキストは効率よく学習することができますし、出題頻度・割合が高い領域ですので、時間が取れる人はお勧めします。
ELEMENTS(早稲田経営出版)1、3 bookstore.tac-school.co.jp
ケータイ弁理士(三省堂)Ⅰ、Ⅲ www.books.or.jp www.books.or.jp
STUDYing 弁理士講座 自分は弁理士も併願で進めていました。大手予備校よりも安価で(それでもそこそこしますが)、上記かぶっている領域はかなり深く勉強できます。 完全Webで自分のスケジュールで勉強でき、小刻みな受講、定期的な問題演習、掲示板での勉強仲間とのコミュニケーションで継続的にモチベーションを維持可能。 これを1年受講して、知財検定1級合格(学科→実技)→弁理士短答式筆記試験合格と連続で3回の試験に合格できました。 studying.jp
アップロード社の1級対策講座+過去問題解説
http://www.upload-j.com/view/page/page4www.upload-j.com www.upload-j.com
おそらく唯一の1級対策講座だと思います。 自分も受講したので、内容は知っており、試験対策講座なので受講する意義は高いと思います。 しかし、11月試験に対して配信開始が8月下旬~であり、この時期から対策して合格する試験ではありません。 また、過去の出題傾向を意識して重点的にまとまっていますが、出題範囲が変えられると対応できません。 ですので、
①過去分のテキストをメルカリ等で中古で入手して傾向把握として使用する
②翌年受験を前提に、1年前に受講する
③本試験直前期に総まとめ的に学習・試験対策する場合に活用する
のいずれかの目的で使うのが、上手な使い方かなと思います。自分の場合は、合格した2年目の受験直前期の③で使いました。
合格マニュアル(知財経営研究者)
http://www.chizaikeiei.com/manual_tok.htmlwww.chizaikeiei.com ※2024年2月現在、準備中で見れなくなりました… chizaikeiei.cart.fc2.com
1級受験者ではほぼ存在を知らない人はいないが、なかなか入手することができず謎に感じると思う、伝説の教材です。 2019年版が最新で絶版で、2021/11月に休刊のお知らせが出ており、おそらく再販・更新されることがなさそうな雰囲気です。 メルカリ等で中古で入手するしかなく、しかもレア商品のため1万円以上し、流通しているものは2016年版くらいしか見たことがないです。 自分はメルカリで2016年版を入手しました。 内容は各分野別の大量の暗記用問題集といったところで、最初に理解・勉強するために読むものではなく終盤期の対策本です。 こちらはあったらよい内容ですが、内容も古いため、あてにしすぎない方がよいかなと思います。
最新過去問題集(コンテンツ・シティ出版)
こちらは、自分が受験初期から使用していたものです。 解説ありの過去問としてはアップロード社かこちらか2択、という感じだと思いますが、両方使用した感想としては、解説はアップロード社の方が自分には合っていました。
知的財産技能士会 会員特典の全過去問
https://www.ip-ginoushikai.org/service
知財検定3級か2級に合格すると、年会費1万円の有料会員となり、すべての1級の過去問題と正答が入手できます。 残念ながら解説はないため、解説付きで販売されている最新過去問集以外は、答えから逆算して理由を自分で考える必要があります。 ですが、出題傾向の把握、正答率、問題を解くスピード感の訓練など、自分のレベルを把握できるため入会してフル活用しました。
以上、総合対策のテキスト・問題集についてでした。 次回から、分野別の専門資料の紹介をします。
知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)合格への道:第3回(試験範囲の概要)
前回(第2回)の内容
今回(第3回)の内容
今回は、知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)の試験範囲の概要について記載します。
試験範囲
公式の試験範囲は以下のリンク先に記載されています。
https://www.kentei-info-ip-edu.org/exam.html
しかし、試験対策としてこれらを体系的に学べるテキストは市販のものではほとんどないと言ってよいですので、テーマ別に取り扱っている専門資料を見ていく必要があります。 そして、それらを取り扱っている分野で分類わけしていくと、以下のような体系に整理できるかと思います。 ただし、きれいに線引きできるわけではないので、複数分野にまたがったり、関連しあったりします。 重要だと思うのは、そのような重なりも含めて、複数の範囲をカバーできる良書を重点的に抑えて、なるべく死角がないように学習していくことだと思います。
企業戦略よりの分野
知的財産戦略(全体的な話)
知的財産の価値評価・取引関係・契約形態
係争、リスク管理
時事問題
実務よりの分野
庁手続関係、利用可能な制度
権利化前(特許調査、出願、中間処理、拒絶/特許査定)
特許庁審査基準
権利化後(登録、維持管理、ライセンス、権利行使)
警告、訴訟対応(権利行使する側/される側)
海外展開
国内法規関係
特に出題されやすいものは以下になります。
海外法規・条約関係
特に出題されやすいものは以下になります。
パリ条約
特許協力条約(PCT)
TRIPS協定
国際的な紛争解決(調停・仲裁・ADR等)
米国特許法
欧州特許条約
その他各国特許法(中国、台湾、韓国、インド等)
国際出願の使い分け(直接出願、パリルート、PCTルート、特許審査ハイウェイ等)
本当に幅広いですね。 これらの資料を探し回るだけでも気が遠くなります。 赤字部分は、弁理士試験のテキストである程度賄える部分です。 1級は、それよりもだいぶ幅が広いことがわかります。深さよりも広さが大事と考えられます。
次回以降で、各分野別の書籍や参考資料を紹介していければと思います。
知的財産管理技能検定1級(特許専門業務)合格への道:第2回(著者の略歴・受験の経緯)
前回(第1回)の内容
今回(第2回)のテーマ
今回は、著者の略歴・受験の経緯について記載します。 前提によって、立場や背景が変わってくると思いますので、参考として記載しておきます。
著者の略歴
年齢:40代半ば
性別:男性
IT企業社員
理系大学院出身(修士)
入社以降10年以上開発職を経験後、知的財産担当の仕事にシフトして約5年、現在に至る
自身も発明者として特許出願・登録経験あり
受験の経緯
知財検定1級が年1回(一次の学科試験が11月)のみしかないことを知り、7月の2級試験には間に合わないと思い、無謀にも「最初から1級を受けよう」と思う
独学で勉強
2020年11月の1級学科初回試験は、78%の成績で不合格(合格基準は80%以上) ⇒ あと一歩及ばずリベンジを誓う
2021年3月、改めて2級(学科・実技)を受けて合格 :普通はこっちが先です…
2021年5月、弁理士試験短答式筆記試験1回目を受験するも、不合格
2021年7月、1級勉強と並行して、STUDYing弁理士講座を受講し始める(重複する領域を優先)
2021年11月に1級学科、2022年3月に1級実技を受験して合格し、2年目で一級知的財産管理技能士(特許専門業務)を取得
2022年5月、弁理士試験短答式筆記試験2回目を受験し、合格
2022年7月、弁理士試験論文式筆記試験(必須科目)を受験し、不合格
2023年7月、弁理士試験論文式筆記試験(必須科目)の受験2回目、不合格(合格基準平均54点に対して、平均51.5点、無念)
2024年現在、短答免除が今年きれるので、弁理士試験論文式筆記試験(必須科目)の3回目のリベンジに向けて追い込み中
自分の経歴が特殊だと思うところ
普通に考えて順番がおかしいので、まずは前提知識である知財検定2級合格を目指すのが王道だと思います。 1回目で78%取れたのは、次回以降記載する教材、資料を自力で見つけられたからだと思いますが、普通は無理ですね。 また、これも次回以降記載しますが、2級に合格すると知的財産管理技能士会(年会費1万円)に入会でき、 特典として1級含む全過去問が無料で取得できますので、先に2級を持っていた方が圧倒的に有利です。 ただし、弁理士のテキストを一部教材として活用するのは、有効だと思います。
2. 理系修士出身
弁理士になる場合、論文筆記試験(選択科目)免除があるため理工学分野の修士は有利です。 また、特許発明の技術的内容を理解してクレームを考えたり、権利範囲を考える必要があるため、実務上も理系が有利な場合があると言われています。 しかし、知財検定1級を合格するためにこれらが必要かというと、必ずしもそうではないと私は思っています。
②試験に出る発明の例は、理系的素養が求めらるほど高度な例ではなく、むしろ不要
③米国法や特許検索では英文のクレームや明細等が出るので、英語の能力も求められる
④書籍、資料や問題文の量など、読解力が必要
つまり、文系学士の方でも、勉強方法が自分に合っていれば、十分にスキルを発揮できるのではないかと思います。
最後に
以上、長々と記載してしまいましたが、自身の経歴についてでした。 次回から、本題の使用した教材について書いていきます。